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すべての妊婦さんと新生児、家族に寄り添う医療を

Doctor's interview

Perinatal
Care

浜松医療センター

産婦人科 周産期センター長 新生児科 部長

すべての妊婦さんと新生児、
家族に寄り添う医療を

浜松医療センターは、地域周産期母子医療センターの指定を受けており、妊娠中の経過やリスクに応じて、産科医、新生児科医、麻酔科医、助産師が密に連携し、どのような出産にも対応できる体制を整えています。NICU(新生児集中治療室)やGCU(新生児回復室)も周産期センターに併設され、出産から新生児医療まで切れ目のない支援を可能にしています。 ご家族の絆を何より大切に、多職種が連携して、生命の誕生から家族のスタートまで寄り添った医療を提供しています。

どのような妊婦さんも安心して出産できる体制

芹沢医師:浜松市では少子化が進み、出生数は2006年の7,814人から2024年には4,527人と、全国平均よりも速いペースで減少しています。その一方で、出産年齢の高齢化や、妊娠中の合併症の増加により、ハイリスクな出産は確実に増えています。

例えば、糖尿病や甲状腺疾患、子宮筋腫など、基礎疾患を持つ妊婦さんの割合は2016年の22.7%から2024年には31.5%まで増加しています。さらに切迫早産や妊娠糖尿病などの産科合併症を抱える方は、同じく52%から74.4%にまで増加しています。40歳以上で出産を迎える方も年々増えており、周産期医療の重要性は今後ますます高まると感じています。

すべての妊婦さんと新生児、家族に寄り添う医療を

周産期センターでは、早産や双胎分娩、合併症といったハイリスクの出産のため、NICU/GCUの近くに広い分娩室を備え、母児の状態を遠隔からも見守れるようにしています

一方で、当院には多くの合併症を持たない健康な妊婦さんも来院されます。健康な妊婦さんには助産師が中心となって丁寧に寄り添い、どのような方も安心できる出産の環境を整えています。無痛分娩も2019年より導入し、麻酔科医が安全に配慮し対応しています。

すべての妊婦さんと新生児、家族に寄り添う医療を

産前から産後まで、女性のライフステージに寄り添う

芹沢医師:2025年4月に開設された『女性健康外来』では、思春期から更年期までの女性の不調に幅広く対応しています。妊娠高血圧や妊娠糖尿病は、一般内科の基準では治療対象とならない場合がありますが、次の妊娠時に極めてハイリスクになるため、フォローする必要性があります。また、持病のある方が「自分は妊娠していいのか」「妊娠したらどうなるのか」といった不安を相談できる窓口、プレコンセプションケアも行っています。

また産後ケアへのニーズも高まっており、当院では宿泊型・日帰り型のいずれにも対応しています。とくにハイリスクな出産をされた方は、入院中に十分な育児経験を積めないこともあり、赤ちゃんが無事に退院できる段階で産後ケアを利用し、育児に少しずつ慣れていかれるケースもあります。また、出産後しばらく経った頃に、1泊や2泊、あるいは1週間程度の滞在でお母さんが心身を整えるために利用されることもあります。

超音波で精密検査から妊婦健診での撮影まで

芹沢医師:私は日本超音波学会専門医・指導医を取得しており、胎児診断が専門のひとつです。近隣のクリニックから、精密検査をしてほしいといった依頼を受け、問題がなければかかりつけに戻っていただき、心配があれば追加の検査や治療につなげていきます。

また、妊婦健診で撮影した胎児の3Dエコーの動画をスマートフォンで共有できる『エンジェルメモリー』を導入し、遠方に住むご家族とも成長を分かち合える仕組みを整えています。

“顔の見える連携”で浜松の周産期医療を支える

馬場医師:当院は、浜松市の地域周産期母子医療センターとして指定を受け、年間約300〜400名の新生児入院に対応しています。早産や呼吸障害、低血糖、黄疸など、さまざまな疾患を抱える新生児を受け入れ、24時間体制で治療にあたっています。

地域のクリニックで出生した新生児の救急搬送においては、まず聖隷浜松病院の医師が新生児救急車で現場へ向かい、状態に応じて当院が受け入れる体制を整えています。また、心疾患や外科的疾患が判明した新生児については、聖隷浜松病院や浜松医科大学医学部附属病院への紹介・搬送も迅速に対応しています。

「どのような子も、地域全体で見守り、支える」 そんな想いを胸に、確実な連携を心がけています。

すべての妊婦さんと新生児、家族に寄り添う医療を

芹沢医師:妊婦さんの救急対応についても、私たちは一分一秒を争う状況を重く受け止めています。夜間・休日を問わず、地域の先生方からのご連絡には可能な限りお応えし、受け入れを行っています。

治療が難しい新生児外科疾患などがある場合は、ご家族の意向を尊重した上で、専門施設への紹介も行っています。浜松市は総合病院が多く、NICUを持つ施設同士が“顔の見える関係”で連携し合い、緊急時も安心できる体制を築いています。

NICU・GCUで始まる、赤ちゃんとご家族の絆づくり

馬場医師:NICU・GCUは、新生児を治療する場であると同時に、ご家族との絆を育む場でもあります。もちろん新生児一人ひとり個性があり、病態もご家庭の状況も異なります。その子にとってより良いケアを届けるため、医療者だけでなく、ご家族にも治療やケアに積極的に関わっていただく「ファミリーセンタードケア」を取り入れています。授乳やおむつ替えなどに参加していただくことで、ご家族が退院後の育児に慣れやすくなり、赤ちゃんにとっても安心できる環境が整います。

また、看護師や助産師をはじめとする多職種と連携し、新生児の成長発達にも配慮しています。当院では、理学療法士がNICU・GCUにおけるケアに20年前から参加しており、2025年4月からは専従の理学療法士が勤務しています。

すべての妊婦さんと新生児、家族に寄り添う医療を

新生児のストレスを減らせるように姿勢を整え、哺乳がうまくいかない場合に支援し、発達段階に合わせて優しく包み込むように触れたり、抱っこして手を合わせたり、手を口に持っていくなどの感覚遊びを通して、成長発達を促しています。 一方、NICUの医療機器の音や光は特に早産で生まれた赤ちゃんにはストレスになります。本来は子宮で守られていた時期に、強い刺激を受けると、発達にもリスクがあると知られるようになりました。そういった環境にも充分配慮しながら治療を進めています。

退院後は、フォローアップ外来でお子様の成長を継続的に診ていきます。理学療法士が、お母さんとの関わりを通じてお子様本来の力や可能性を引き出す支援にも取り組んでいます。早く生まれた赤ちゃんとそのご家族にとって、退院はあくまで通過点です。ご家族に寄り添いながら成長を見守っていきます。

妊婦さんと赤ちゃん、そして家族に心の通った支援を

芹沢医師:当院は、浜松市が開設する医療公社として、行政とも必要に応じカンファレンスを重ね、支援が必要な妊婦さんやご家族への対応を行っています。

保健師から妊産婦検診を受けていない方や、若年妊婦の方をご紹介いただいた場合にも、積極的に対応してきました。支援が必要な妊婦さんが孤立せず、生まれた赤ちゃんが適切に育っていける環境ができるようケアしています。

馬場医師:NICUに入院する新生児の多くは、家族が想像していた出産のかたちとは異なる経過をたどります。

「赤ちゃんが元気に生まれて、すぐに一緒に退院する」というイメージと現実が違うとき、ご家族がどのように気持ちを整え、関係を築いていけるか、私たちはその過程をそっと支え、少しでも安心して退院の日を迎えられるよう力を尽くしています。

芹沢医師:産婦人科の外来診療をしていると、妊婦さんから悪性腫瘍の患者さんまで多様な方と出会います。

辛いお話をする場合もありますが、「来院された方に満足して帰っていただく医療を」という気持ちで、どのようなときも相手を思いやりながら、向き合う姿勢を大切にしています。

地域の医療機関とともに、赤ちゃんと家族を支え続けたい

芹沢医師:当院は、地域のクリニックで健診を受け、出産が近づいたら当院を受診するオープンシステムに対応していますが、妊娠初期からハイリスク妊娠と疑われる場合は、早めのご紹介をお願いいたします。

地域の先生方からの緊急時のご相談には、365日24時間いつでも対応いたします。お断りすることはまずないので、気兼ねなくお声かけください。必要な治療が終わったあとは、再び地域の先生にバトンをお返しできる関係性を大切にしていきたいと考えています。

すべての妊婦さんと新生児、家族に寄り添う医療を

馬場医師:成長発達のフォローや投薬を当院で受けているお子さんも、予防接種や日常的な診療は地域の先生方にお世話になっており、そのような役割分担が実現できていることに感謝しております。

医療情報についてのお問い合わせやご依頼も、お気軽にご連絡ください。

浜松医療センター

静岡県西部地区を診療圏とする高度総合医療機関であり、地域医療支援病院、災害拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、地域周産母子医療センター、アレルギー疾患医療拠点病院、日本脳卒中学会一次脳卒中センター、そしてゲノム医療連携病院の責を担っている。

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