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外科と麻酔科の専門性を発揮し、より安全に質の高い外科治療を提供

Doctor's interview

SPECIAL
DIALOGUE

医療法人 医仁会
武田総合病院

副院長 外科/副院長 集中治療室部長 麻酔科

外科と麻酔科の専門性を発揮し、より安全に質の高い外科治療を提供

武田総合病院は、がんに対する先進的な手術から良性腫瘍に対する小手術まで、幅広く手術を手掛けています。
外科の財間正純副院長は、他科との連携による精度の高い治療が強みと語り、チームプレーで安定した手術の提供を心がけています。麻酔科の瀨川一(はじめ)副院長は麻酔科医を「インフラ」と語り、経験を活かしてより安全な手術環境を整えてきました。

手術が必要な患者さんを一人でも多く救いたい

財間医師:当科では月曜から金曜の毎日手術を行っており、主な対象疾患はがんです。消化器では胃や大腸、肝胆膵のがんが多く、乳腺がんの手術もしています。このほか乳腺疾患、胆石症、虫垂炎、鼠蹊ヘルニア、肛門疾患といった良性疾患などの治療を対応しています。

当院は、地域の急性期病院として多くの患者さんの手術治療に関する受け入れに力を入れてきました。日本の外科は伝統的に主治医制で、1人の医師がすべての治療をするため医師の負担が重くなります。さらに、手術を多く受け入れるには、1つの手術をなるべく短時間にする必要があります。当科でも基本的には主治医が手術しますが、主治医制をゆるく解体して負担を分散するようにしました。チームプレーで治療に取り組み、すべての手術が平均的に安定した状態で進むようにしています。


外科と麻酔科の専門性を発揮し、より安全に質の高い外科治療を提供

私たちは、消化器内科や放射線科と週に1回、合同でカンファレンスを行い、それぞれの患者さんに適した治療法を決定しています。
地域の先生は内科・外科どちらに紹介すべきかを迷われる場面があるかもしれません。カンファレンスにて相談の上判断し、適切な治療を進めてまいりますので、内科・外科のどちらにご紹介いただいても問題ございません。気兼ねなくご相談ください。

精度の高い手術を実現する、他科・多職種連携

財間医師:当院は心臓血管外科や泌尿器科、産婦人科といった多くの診療科が連携しているのが強みです。
例えば当科では、泌尿器の臓器を含む場合に泌尿器科と手術を行います。複雑な肝臓の手術を、血管のトレーニングを積んだ心臓血管外科と一緒に手術するケースもあります。
また近年、全国的に膵臓がんの患者さんが増えています。膵臓がんで外科を受診する患者さんは、消化器内科から紹介される方がほとんどです。当院は、人材不足になりがちな消化器内科の医師を増やしました。円滑な他科との連携で、精度の高い手術を提供できる体制です。

瀨川医師:武田総合病院は、24時間いつでも手術ができる施設です。多くの診療科が揃い、必要としている方にすぐに手術治療を提供できる環境は、地域の急性期病院として充実していると思います。私たち麻酔科だけではなく、看護師をはじめ手術室のスタッフ、病院全体として患者さんの受け入れに対応しています。

京都大学での経験を活かし、先進的でより安全な手術を提供

財間医師:私は、日本で最初に生体肝移植を手がけた、京都大学第二外科の出身です。肝臓が中心の外科で出身者は私も含めて大体、肝臓を専門にしています。
当院は先進的な肝臓の治療に取り組んでおり、例えば、二期的肝切除術(ALPPS:associating liver partition and portal vein ligation for staged hepatectomy)は当院で扱っている新しい治療です。肝がんを切除する際、残る肝臓の量が少なければ予後は悪くなります。ALPPSは、1回目に肝臓を完全に取り去らず、動脈を残して血管だけを縛って残す肝臓の再生を待ち、2回目の手術でより安全に配慮してがんを取る方法です。大腸がんの肝転移や大きい肝臓がんに適しています。

瀨川医師:私も京都大学の麻酔科に在籍しておりました。大学病院では、集中治療室の副部長として事実上の責任者を務めてきました。医療安全の担当者と毎週のようにミーティングをする中で、いかに日々の診療が安全に遂行されるかの配慮を徹底することが重要だと学びました。
経験を活かし、当院では、安全に麻酔が遂行できる体制づくりに取り組んできました。大学病院でリスクの高い手術を多く経験してきたので、手術中に起こりうる様々な危険についてある程度、予測がつくようになりました。今も常に、落とし穴にはまりそうな状況を先んじて改善するようにしています。いわば転ばぬ先の杖のような麻酔管理が理想です。この病院で行うあらゆる手術に対して一定以上のクオリティの麻酔が提供できることを目標にしています。

財間医師:外科医もそうですが、不測の事態に遭遇した経験があると、よりよい臨床ができるようになると思います。瀨川先生は、大学で難易度の高い手術を多く経験しています。経験を活かし安心して手術に臨める環境を整えていただけるのは、とても心強いです。

麻酔科医は「インフラ」として常に手術室を整える

瀨川医師:麻酔科は、麻酔の可否も含め患者さんの全身状態を把握しし、安全に手術を受けられるようにするのが仕事です。また、ICUでの人工呼吸や特殊な治療のサポートも行っています。

働き方改革との両立を図りつつ多くの手術を断らず、順調に進めるため麻酔科として配慮しているのは、限られた医療資源である手術室の有効利用です。個人的に、麻酔科医は「インフラ」だと考えています。外科医の先生が野球選手だとしたら、私たちは球場です。社会を成り立たせている電力や交通網のようなイメージでしょうか。麻酔科の仕事は手術室やICUによらず、治療を遅滞なく提供して、次の患者さんを受け入れる回転のよさも必要です。当院は地域に密着しており、命に関わる状態の方が次々と来られます。より多くの患者さんを救えるよう、フットワークを軽くして、全体をみるようにしています。
 

外科と麻酔科の専門性を発揮し、より安全に質の高い外科治療を提供

ICUにて

外科医が不足する時代に、外科の力を発揮する

財間医師:最近、外科医が不足していると報道されています。将来的には人材や物的な医療資源を集中化しないと、医療は成り立たなくなるかもしれません。患者さんも含め、日本全体で医療に対するコンセンサスを作る必要があると考えています。

そして当科では、外科医の育成に注力しています。手術を正確に、なるべく早く完了するには外科医の技術が重要です。必要以上に時間がかかっていない手術には、無駄がありません。外科医の教育では「助手席に座っていても運転できるようにはならない」といいます。一方で早く上達するには、うまい手術を見て学ぶ段階も必要です。当科では主治医を決めて本人に執刀させると同時に、教育的指導ができる医師をチームに入れています。

私は30代後半から各病院の診療科長として、マネジメントを行ってきました。診療科全体がうまく機能するためには、スタッフの負担を減らすことが必要です。外科医の仕事には責任がありますが、できる限りみんなで分担してサポートするようにしています。

地元である京都で、地域の患者さんに寄り添った治療を提供

瀨川医師:私は、裏の田んぼにオタマジャクシやドジョウがいるような京都郊外の出身で、野原を走り回って育ちました。
医師を志し、麻酔科を選んだきっかけは、子どもみたいな話ですがポリクリの時に見た手術室がカッコよく見えたからです。そのため学生時代には外科医になろうと思ったこともありますが、外科の先生は病棟や外来での診療もあり、ずっと手術室にいるわけではないでしょう。ずっと手術室にいるのは麻酔科だと思い、麻酔科医を選びました。きっかけは手術室への憧れですが、麻酔科医として治療に貢献することがやりがいであり、面白いと感じて続けています。

外科と麻酔科の専門性を発揮し、より安全に質の高い外科治療を提供

財間医師:私も京都出身で、高校まで公立の学校で、制服を着ていたことがあったかわからないくらい、自由奔放に育ちました。
私が大学を卒業した頃は今と比べるとはるかに多くの卒業生が外科系診療科を希望していました。私も医学部に入ったころから、漠然とですが自分の手で病気を治せるような気がして外科系を希望していました。当時京大では外科の中に心臓外科も含まれており、心臓外科に惹かれるものもかなりありましたが、いろいろな人の意見を聞いて消化器外科を選びました。

外科と麻酔科の専門性を発揮し、より安全に質の高い外科治療を提供

瀨川医師:外科・麻酔科はもちろん院内全体として、手術が必要な場合は迅速に提供できる体制を整えています。患者さんのご紹介後、長くお待ちいただくことがないよう対応をしておりますので、安心してご紹介ください。

財間医師:当院では先進的な治療も可能ですが、肝臓や大腸の腹腔鏡下手術といった低侵襲治療も多く手がけています。地域に根差したコミュニティホスピタルの役割として、良性疾患や諸々の小手術もしっかりと対応いたします。地域の先生方には、手術が必要と思われる患者さんはもちろん、迷われる場合もお気軽にご相談いただきたいと思います。

医療法人 医仁会 武田総合病院

「地域医療支援病院」として、高度医療を核に、総合的な診療体制を確立。 地域の健康文化の発信基地として、人々のからだと心のケアを支える。

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