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高度な専門的医療を担う基幹病院として地域医療に貢献する

Doctor's interview

HIROO
TERASHI

東京医科大学病院
脳神経内科 主任教授

高度な専門的医療を担う基幹病院として
地域医療に貢献する

赫医師:脳神経内科の領域は、大きな変革の時期を迎えています。多くの疾患で病態の解明が進み、診断から治療に至るまで、より高い専門性が求められる時代となっております。当科では、特に脳卒中、神経変性疾患、神経免疫疾患の領域に力を入れており、各領域の専門医が最新の医療を提供しております。脳卒中センターでは、24時間体制で脳卒中患者の受け入れを行っております。2022年より脳ドックも開設し、予防医学についても重点化していく方針です。地域の先生方と連携して、神経難病の患者さんを長く支える診療体制の構築を目指しています。

脳卒中、神経変性疾患、神経免疫疾患に重点を置いた専門医による診療

赫医師:東京医科大学病院 脳神経内科では、神経疾患 全般を対象に診療を行っております。特に力を入れて いる領域は、脳卒中をはじめ、神経変性疾患(パーキン ソン病、筋萎縮性側索硬化症など)、神経免疫疾患(重症 筋無力症、多発性硬化症)です。

また、頭痛やてんかんに ついても専門家が対応しております。 初診でお受けした患者さんは、各領域の専門医が中心 となって診療にあたっており、質の高い、最先端の医療 を提供しております。また、神経難病に対する国内外の 臨床治験にも積極的に参加しております。パーキンソ ン病、脊髄小脳変性症、重症筋無力症、頭痛については 専門外来を設置しており、多くの患者さんをご紹介 いただいております。

大学病院の強みとして、最先端の医療機器を用いた 画像診断や神経生理検査が可能です。神経生理検査(針筋電図など)については、熟練した専門医が中心となって検査にあたる体制をとっています。当科では、専門医による診断から最先端の治療、そして患者さんのケアまで、一貫して質の高い医療を提供することを目指しております。

神経難病に対する精度の高い診断と最先端の治療

赫医師:当科では、専門医による神経学的診察、最新の画像検査(MRI、SPECTなど)、神経生理検査、神経心理検査により精度の高い診断と病態の評価を行っております。
私の専門領域はパーキンソン病を中心とした神経変性疾患です。当科では、特に歩行障害や姿勢異常の評価と病態の解明に力を入れております。実際の診療では、ウェラブルデバイスを用いて、患者さんの日常生活下での状態を評価し、治療にフィードバックしております。姿勢異常については、整形外科の先生とも連携して対応しております。パーキンソン病では、患者さんの精神状態の評価も重要です。当科では、神経心理士による詳細な認知機能の評価を定期的に施行し、治療方針の決定に役立たせております。

当院は、神経免疫疾患の1つである重症筋無力症の国内有数の施設です。増田眞之兼任教授が中心となり、多数の患者さんの診療にあたっております。国際的な臨床試験にも多く参加しており、最先端の治療が行われております。

近年、神経疾患でも新薬の開発が進んでおります。当科では、新規治療薬の開発に貢献すると共に、国内外の臨床治験にも積極的に参加しております。ご希望される患者さんがいらしたら、ご紹介をお願いします。

高度な専門的医療を担う基幹病院として地域医療に貢献する

24時間体制の脳卒中診療

赫医師:当院では、脳卒中センターが中心となり、区西部医療圏の中核施設として脳卒中診療に力を入れております。脳卒中センターでは、脳神経内科、脳神経外科、高齢診療科、救命救急センター、リハビリテーション科が連携して、24時間体制で急性期脳卒中患者の対応にあたっております。専門各科が密に連携することにより、血管内治療を含めた最先端の治療の提供が可能となっております。現在、当科の入院患者の約40%が脳卒中となっております。

独自の脳ドックで予防医学を強化

赫医師:健診予防医学センターでは、人間ドックオプションとしての脳ドックを行って参りました。今回、脳卒中や認知症の早期診断を目的とした、脳神経内科独自の脳ドックを2022年に開設いたしました。脳神経内科脳ドックでは、加藤陽久准教授が中心となり、脳神経内科医が画像を確認し、希望された受診者に結果説明と現状の評価、生活習慣病の是正の必要性、更に今後の生活の過ごし方など、具体的なアドバイスを行っております。私どもは、脳ドックを通して皆様の健康寿命の延伸に貢献したいと考えております。

見過ごされやすい脳神経内科の疾患。早期診断は疑うことから。

赫医師:神経疾患では、患者さんが異常を自覚していない、或いは自覚していても、疾患に関連した症状として認識していない場合があります。日常診療において、患者さんの訴えから神経疾患を疑い、実際に診断を行うことは決して容易なことではないと考えます。そのため、どうしても神経疾患の発見は遅れる傾向にあります。パーキンソン病を例にすると、我が国には概ね20万人程度の患者さんがいると推定されており、特に70歳以上では約1%の方が罹患していると考えられています。一般に脳卒中以外の神経疾患は稀な病気であると思われがちですが、高齢者人口の増加が進む我が国では、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患は決して珍しい疾患ではありません。先生方が5年10年と長く診ていらっしゃる患者さんの中にも、いつの間にかこれらの疾患に罹患している患者さんがいる可能性があります。もしやと思うような患者さんがいらしたら、或いは患者さんの中で脳神経内科への受診を希望される方がいらしたら、気軽にご相談ください。

地域の先生方の中で、診断や治療のために神経心理検査、神経生理検査、画像検査(核医学検査など)などの特殊検査のご要望があれば、是非、ご相談ください。大学病院は敷居が高いと感じている先生もいらっしゃるとかと思いますが、私共は地域の先生方のニーズに合わせて対応していきたいと考えております。

専門、非専門の隔てなく切れ目のない連携で、神経難病の患者さんを長くサポート

赫医師:近年、多くの神経疾患で病態の解明が進み、治療も大きく進歩しております。そのため、高い専門性が求められる時代となっております。一方で、神経難病の患者さんの多くは、長期にわたるサポートが必要となります。そのためには、地域の先生方との切れ目のない連携が重要となります。

私共は基幹病院として、地域の先生方と連携して神経難病の患者さんに対する他職種連携による,支援体制を整えていきたいという思いがあります。また、当院への通院が困難となった患者さんに対しても、地域の先生方と連携して患者さんのケアに携わっていきたいと考えております。当科では、「2人主治医制」を積極的に推奨し、地域の先生方と一緒に患者さんを診ていくことを方針としております。

また、難病支援に関わるコメディカルの方々との連携を深め、情報を共有して患者さんをサポートしていく体制を目指しています。

高度な専門的医療を担う基幹病院として地域医療に貢献する

東京医科大学病院

東京医科大学病院は新宿副都心に位置する「特定機能病院」であり、都区西部「地域がん診療連携拠点病院」に指定されています。

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