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日本における膵臓・胆道疾患の最後の砦として内科・外科がワンチームで高い専門性を発揮する

Doctor's interview

Pancreato
Biliary

東京医科大学病院
膵臓・胆道疾患センター

日本における膵臓・胆道疾患の最後の砦として
内科・外科がワンチームで高い専門性を発揮する

膵臓・胆道疾患は地域の医療機関で診療するのが困難な領域の1つです。

2021年7月開設の膵臓・胆道疾患センターでは、この分野に精通した医療チームが切れ目なくスピーディーに対応。

1人でも多くの患者さんがここでしかできない診療の恩恵を受けられるよう、地域連携を強化しながら高度な医療を提供しています。

全国の膵臓・胆道疾患患者の道しるべとなるセンターを目指す

当院の消化器内科と消化器外科はいずれも膵臓・胆道疾患に関して日本有数の、もっと言えば世界でも有数の診療科です。

国内を見渡しても、内科・外科ともに世界に通ずる施設はごく少数ではないでしょうか。

東京だけでなく全国の患者さんの“最後の砦”となるべく、内科・外科の両面から世界トップクラスの診療を行うべく取り組んでいます。

日本における膵臓・胆道疾患の最後の砦として内科・外科がワンチームで高い専門性を発揮する

内科・外科がシームレスな医療を提供

膵臓・胆道疾患は診断から治療まで疾患ごとに異なるため、内科・外科という従来の枠組みではうまく機能しません。

そこで当センターでは、診断から治療、さらにその後のフォローまで一貫して対応するシームレスな医療を提供しています。

特に膵臓や胆道のがんは難治性なので早く診断し、必要があれば早く手術を、それが難しければ放射線療法や化学療法などの治療に移る必要があります。例えば、すでに黄疸のような症状が出ているなら1週間ほどで検査を終え、早く確定診断をするよう努めます。

どの程度のステージのがんなのかが分かればその時点で外科に相談し、手術が即必要なら早く手術室の枠を確保します。このように診断から治療までが早く、内科・外科がワンチームで診療を行っていることが当センター最大のポイントです。

最短の時間で、最大効率の診療が可能である点が強みだと自負しています。

“ここだけ”の内視鏡診断・治療で専門性を発揮する

糸井医師: 内科では当センターでしかできない内視鏡 診断・治療が多く、北は北海道から南は沖縄まで、全国から患者さんをご紹介いただいています。よくあるのは、消化管の手術後、胆管結石などで内視鏡治療を行うのが難しくなったケースです。胆管と空腸、小腸を吻合した部分が詰まっているなど、胆管結石に対して手術となるような場合も、当センターでは内視鏡による治療が可能です。

進行したがん、例えば膵がんであれば十二指腸閉塞や狭窄が起こることがあります。その場合、これまでは十二指腸に金属製のステントを留置したり、外科的に胃空腸吻合術を行ったりしていました。

しかし、これらの治療は侵襲が大きいのが難点で、ステントが詰まるなどのトラブルも起こり得ます。そのような患者さんに対して、私たちは超音波内視鏡を用いて15分程度で胃と空腸を吻合する、超音波内視鏡下胃空腸吻合術という画期的な治療法を開発・実施しています。

進行して手術不能ながんの放射線治療や化学療法にプラスαする治療として、超音波を集束させて腫瘍を焼灼する強力集束超音波治療法(HIFU)も行っています。この治療については国内有数と言えるほどの実績がありますが、非常に有用な治療であるため現在保険導入に向けて取り組んでいるところです。

このほか、肝臓がん・胆管がんに対するナノナイフも当センターでしか行っていない治療です。近年、小さく低悪性度の膵神経内分泌腫瘍に対しては内視鏡的エタノール局所注入療法も始めています。

日本における膵臓・胆道疾患の最後の砦として内科・外科がワンチームで高い専門性を発揮する

習熟した低侵襲手術により、全国有数の手術成績を実現

永川医師: 外科では、高度な技術を持つ手術チームを構築しており、最新かつ高度な外科的治療を提供する ことをモットーに取り組んでおります。膵臓・胆道疾患では本邦で有数の手術件数を誇り、膵臓の年間手術件数は約150件と、全国の大学病院の中で最も多くの手術を行っております。また低難度から高難度のあらゆる手術や治療方法を定型化させ悪性腫瘍に対し、高い根治性に加え出血が少なく、短い手術時間で手術を行っております。

「決してあきらめない治療」を大切にしています。膵癌、胆道癌は、癌が進行し手術困難な状態で紹介される患者さんが多いのですが、内科との密接な連携のもと、個々の患者に対し、内科的アプローチと外科的アプローチから最善の治療法を模索し、迅速に治療開始することを心がけております。内科と外科のタッグにより、切除不能と診断された膵癌が切除可能となるケースが増えております。

ロボット支援手術など、患者さんの負担が少ない低侵製手術を積極的に行っていることも当センターの特徴です。

膵臓、胆道腫瘍に対する腹腔鏡下手術やロボット支援手術は高度な手術技術を必要とし、特にロボット支援膵頭十二指腸切除術を安定的に行っている施設はほとんどありません。われわれはこれらの低侵襲手術に対しクオリティの高い手術方法をいち早く確立しており、国内、海外の指導的施設となっております。

全国から多くの患者さんが紹介され、日本で最も多くの低侵襲膵切除術を行っております。

日本における膵臓・胆道疾患の最後の砦として内科・外科がワンチームで高い専門性を発揮する

胆膵疾患を見極めるのは難しいからこそ、些細なことでも早く相談を

膵臓・胆道は、消化器疾患を診療する医師にとっても難しい領域です。最近はMRIやCTなどの進歩により膵のう胞が見つかる人が増えていますが、悪性度がどの程度で、どう治療するかという判断も難しいものです。

みぞおちが痛くて近隣のクリニックで胃カメラ検査を受け、慢性胃炎と診断された患者さんの場合、半年後に黄疸が出てCTやエコー検査を受けると膵頭部がんが判明した、ということもあります。このような事例はもっと早い時点で、みぞおちの症状=胃の病気とは限らないという意識を持たねばなりません。生命を左右しない程度の疾患だと思われても、その陰に重大な疾患が潜む可能性があるのです。

こうした事態を避けるために、この程度で相談していいのかとためらわず、些細なことでも気軽に相談してほしいですね。

“案ずるより産むが易し”で、不安を抱えたままでいるより早くしっかり調べたほうが安心です。当センターで必ず解決し、良い状態にしてお返しするよう努めたいと思います。

当センターでは内科も外科もスタッフ全員、電話1本でいつでも相談を受けるよう心がけています。外来日でなくても緊急時は入院できるようにしますし、遠方の患者さんは最初から入院予定とするなど臨機応変に対応しています。

日本における膵臓・胆道疾患の最後の砦として内科・外科がワンチームで高い専門性を発揮する

東京医科大学病院

東京医科大学病院は新宿副都心に位置する「特定機能病院」であり、都区西部「地域がん診療連携拠点病院」に指定されています。

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