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内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

Doctor's interview

GASTRO
ENTEROLOGY

医療法人財団 康生会 武田病院

消化器内科 センター長 部長 特任部長

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

この春より新たな診療体制となり、医師6人体制で診療を行う武田病院消化器内科ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)をはじめとする高度な内視鏡治療を軸に、消化器がんの早期発見・早期介入に取り組んでいます。

患者さんが苦痛なく定期検査を受け続けられるよう、鎮静剤の使用やCO₂(二酸化炭素)送気など、きめ細かい配慮を重ねています。

さらに、地域の開業医の先生方と密に連携し、紹介から逆紹介・専門治療まで一貫して支える体制を整えています。

消化管の疾患を予防し、早期に治療して患者さんを守りたい

市川センター長

患者さんの多くは、消化器とは食べ物を消化吸収する管というイメージをお持ちです。

しかし医学の進歩により、消化管の役割はそれにとどまらないことが明らかになってきました。

消化管は腸内細菌叢や消化管ホルモン、腸管の粘膜免疫を通じて代謝疾患や感染症、さらには精神神経機能にまで関わる全身調節の要を担っています。

したがって、消化管を整える治療は、胃腸症状を取るだけではなく、糖尿病や脂肪肝、サルコペニアを含めたフレイルといった幅広い疾患の予防に直結します。

私たちは内科全般を広く診るエキスパートとして、どこまで予防にコミットできるか常に考えています。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

消化器疾患は、早期に発見すれば治療できるものが多くあります。

消化管のがんも、早期であれば回復を目指せる病気です。

日本の消化器内視鏡の分野は国際的にも水準が高く、消化器がんの早期発見に長年貢献してきました。

私たちは、がんの治療のみならず、患者さん十分な栄養を取っていただき免疫機能を高めて感染症に強い体を維持できる状態を目指せるよう、包括的に取り組んでいます。

安全管理を徹底し、高度な内視鏡治療を提供

松山部長

専門:悪性腫瘍に対する化学療法・免疫療法

(免疫チェックポイント阻害薬によるがん治療が中心)

当院では内視鏡診療に注力しており、ERCP(内視鏡的逆行性胆膵管造影検査)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、EMR(内視鏡的粘膜切除術)といった高度な治療を行っています。ESDは粘膜内にとどまる早期がんを対象に、内視鏡カメラ先端から針を出して粘膜の薄皮を丁寧に剥離・切除する方法で、当院では10年以上前から実施しています。従来法のEMRは輪状の器具で小さい病変を切除しますが、取りきれない場合があります。一方、ESDはEMRより広範囲あるいは深部にある病変の切除に対応できます。

また、小腸カプセル内視鏡に加え、通常の内視鏡では届かない小腸の奥まで観察できるダブルバルーン内視鏡も使用しています。緊急時には高度な内視鏡的止血術も可能です。それぞれの患者さんの状態に応じた検査器具を取り寄せ、最適な治療を提供しています。

検査・処置の際は複数の医師が立ち会い、看護師や検査技師ともに安全確保に努めています。当科は京都府立医科大学消化器内科と密に連携しており、当院で対応が難しい症例についてはご紹介する方針です。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

福居特任部長

専門:消化器全般

(機能性ディスペプシア・過敏性腸症候群などの機能性消化管障害の診療・研究)

毎朝、看護師と検査リーダーが内視鏡検査前に1日の

予定と患者さんの基礎疾患リスクについてディスカッションし、安全管理を徹底しています。

地域の先生方には、安心して患者さんをご紹介していただければと思います。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

がん予防に欠かせない定期検査を、苦痛の少ない体験に

松山部長

患者さんの苦痛を減らすため、さまざまな工夫を重ねています。基本的に鎮静剤を使用し、リラックスした状態で検査を受けていただく方針です。腸管を膨らませる際には従来の空気より体内に早く吸収されるCO(二酸化炭素)を用いており、検査後のお腹の張りや痛みを大幅に軽減しています。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

福居特任部長

がんの予防には、定期的な検査を継続することが何より大切です。最初の内視鏡検査で不快な思いをすると、次は受けたくないと感じてしまいます。その方にとって初めての内視鏡体験は、その後の受診行動を左右する重要な分岐点です。

機器や薬剤、AIがどれほど進歩しても、不安をやわらげるのはやはり人との信頼関係です。私は検査前に丁寧な説明を行い、検査中も絶えず声かけを続けています。「これから押しますよ」「今は唾を飲まないでください」と伝えることで、患者さんが次の動作を予測して身構えられるようにしています。この声かけは、私を指導してくれた先生方から学んだものです。当科には日本消化器内視鏡学会が認定する内視鏡専門医の女性医師が在籍しており、同性の医師を希望される方も受診しやすい体制を整えています。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

ピロリ菌迅速検査・免疫療法など、消化器内科の専門治療を幅広く

松山部長

当科では消化器内科の標準的な治療に対して、積極的かつ幅広く対応しています。ピロリ菌のPCRによる迅速検査はその日のうちに結果が出るため、最初の受診で治療薬の選択まで完結できる効率的な方法です。患者さんの負担が少なく、当院でも近いうちに導入する予定です。

抗がん剤の進歩により、がん治療の選択肢は大きく広がりました。免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法は化学療法と並ぶ柱に成長しており、手術で取りきれないほど進行したがんでも、複数の治療方針を検討できます。当院での継続治療を希望される方も多く、各種療法室を整備した環境で、他施設と連携した専門的ながん治療にも対応しています。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

福居特任部長

近年、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群といった機能性消化管障害が注目されています。「検査をしても異常なしと言われたが、症状が続いている」という患者さんが、これまで医療の中で置き去りにされてきた現実があります。当院では、そうした患者さんに対してできる限り原因を探り、多職種で相談しながらサポートする取り組みを始めました。QOLを重視する時代の変化に応え、見えにくい苦しさにも向き合っています。

医師・コメディカルが共通言語で動く、教育型チーム体制

市川センター長

医療の質を持続的に高めるには、よく訓練されたチームをどれだけ継続的に育てられるかが鍵です。看護師・薬剤師・検査技師といったコメディカルは、現場で患者さんと接する時間が長いぶん、異変に早く気づきやすく、医師の見落としを補完する重要な役割を担っています。医師とコメディカルが共通言語で議論できれば、一方的な指示関係を脱し、コメディカル側からも提案が生まれる「共に考えるチーム」へと変わります。

私が特に注力しているのは「指導者を育てる指導者」の育成です。属人的な指導に頼らず、教えるスキルを持つ人材を組織内で育成し、持続可能な教育体制の構築を目指しています。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

松山部長

当科では、入院から退院までの検査・治療・食事・リハビリテーションをまとめたクリニカルパスを活用し、多職種が診療計画を共有しています。各職種の処置の流れが可視化されることで、予定の把握が容易になり、見落としやミスの防止にもつながります。患者さんにとっても治療の流れが分かりやすく、退院までのサポートがスムーズになるメリットがあります。

また、処置ごとのリスクをコメディカルと事前に共有することも徹底しています。例えばESD後は出血しやすい、ERCP(内視鏡的逆行性胆膵管造影検査)後は膵炎の合併症が起きる可能性があるといった認識を共有し、必要な場合は迅速に対処できる体制を整えています。

福居特任部長

内視鏡治療を安全に行うには、高い技術とともに患者さんとの信頼関係が不可欠です。早期胃がんの内視鏡治療では、偶発症が生じて一時的につらい状態になることがあります。治療前に十分な説明を行い、患者さんに納得して治療に臨んでいただくことが大切で、後進の医師にも同じことを伝え続けています。最近はハンズオン研修の機会も増えており、若い医師がしっかりした技術を習得できるよう指導しています。

私が大切にしているのは、病気を診るだけでなく、患者さん一人ひとりの生活背景や価値観に合わせた医療を提供するという姿勢です。当院に赴任したとき、職種間の垣根が低く、病院全体で患者さんを支える空気を感じました。この文化をこれからも守り続けたいと思います。

紹介から逆紹介まで、地域連携のフローと受け入れ体制

松山部長

当科へのご紹介で多いのは、健康診断の要精査によるご依頼です。大腸がんスクリーニングの指標となる便潜血や貧血のほか、体重減少、薬を使っても改善しない胸焼け、原因不明の症状が続く場合など、気になる点があればお気軽にご紹介ください。

紹介いただいた患者さんについては、まず検査内容とスケジュールをご報告し、検査結果・治療経過を適宜お伝えします。経過が安定すれば、紹介元の先生にお戻しする方針です。より高度な治療が必要な方には、連携の深い京都府立医科大学をご紹介しています。

福居特任部長

当院は総合病院であり、外科のバックアップ体制を有しています。他の診療科とも連携できるため、救急患者さんへの対応も可能です。

また、京都は観光都市のため救急で受診される外国人の方が多く、令和7年度実績では外来患者さん約2,300件、入院患者さん約40件、救急車による搬送は約300件にのぼります。当院では外国語対応の専属スタッフ5名や医療通訳サービスを整備しています。

外国人患者さんのご紹介もお気軽にお寄せください。

地域の先生方と切磋琢磨し、京都全体で患者さんを支えたい

市川センター長

医学と技術は常に進歩しており、医療者には生涯にわたる継続学習が求められます。学会や研究会で地域の先生方とお会いすると、私たちが学ばせていただく機会が数多くあります。消化管はあらゆる病気と接点を持つ分野であり、専門を深めながらも専門外の知識を持つことが医師として重要です。

地域のかかりつけ医の先生方が生活習慣病や慢性消化器疾患を長期フォローしてくださり、当科の内視鏡・専門治療とつながることで、地域単位での消化器がん死亡の減少も見えてきます。大学との連携もつなぎながら、京都全体がチームとなって地域の患者さんを支える体制を作っていきたい。それが地域医療本来の姿だと考えています。病院・開業医の先生方へのご挨拶も続けていますので、ぜひお話しできる機会をいただければ幸いです。

松山部長

京都は高齢化が進み、老老介護も増えています。当院ではレスパイト入院を受け入れており、「食事が取れなくなってきた」といった心配事にも対応しています。コロナ禍で途絶えていた地域連携の会の再開も検討していますので、今後とも連携を深めていければ幸いです。

福居特任部長

診断や対応に少しでも迷われる患者さんがいらっしゃれば、些細な疑問でも構いませんので、ご遠慮なくご紹介ください。早期発見につながるよう、しっかりと対応させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

内視鏡治療をはじめ質の高い医療を提供し、消化管を通して健康を守る

医療法人財団 康生会 武田病院

1970年の開設以来、救急救命医療に力を注ぎ、心臓血管外科・循環器内科・脳神経外科・内科・外科が連携して24時間体制で対応。 先進的な取り組みを重ねながら、患者さんとご家族への「思いやりの心」を忘れず、理想の医療を追求し続けている。

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