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専門医とリハビリスタッフのチーム医療で長期にわたり正常圧水頭症患者をフォローアップ

Doctor's interview

YASUHISA
YOSHIDA

吉田病院 附属脳血管研究所
理事長・院長

専門医とリハビリスタッフのチーム医療で長期にわたり
正常圧水頭症患者をフォローアップ

「治療可能な認知症」とも言われる正常圧水頭症ですが、認知症の症状と紛れてしまい、患者さんの多くが見過ごされている現状があります。正常圧水頭症による歩行障害は、適切な検査・治療を行うことで改善する可能性を持っています。
吉田病院では、「正常圧水頭症センター」を整備し、専門医や療法士、臨床工学技士がチームとなって検査・治療に当たることで、正常圧水頭症の患者さんの早期発見・治療と、長く快適な毎日を過ごしていただくためのフォローアップに務めております。

正常圧水頭症は「治療可能な認知症」で、特に歩行障害の改善の可能性が高い

認知症が増えているという認識は、医療者だけではなく一般の方々にも広まっています。認知症の症状が現れた際、患者さんやご家族の中には、もう治らないものと諦めてしまう方もいらっしゃると思います。けれども実は、認知症の患者さんの中に、正常圧水頭症を発症している方が多く紛れているのです。正常圧水頭症であれば治療が可能で、症状が改善する可能性があります。

一方で、正常圧水頭症の病態や治療方法は、全国的に必ずしも普及しているとはいえない状況です。当センターでは脳外科・神経内科専門医のもとで正常圧水頭症の検査・治療パスを構築し、患者さんとそのご家族のQOL向上のために、チームで対応しています。

正常圧水頭症の主な症状は、歩行障害、認知機能の低下、尿失禁の3つです。特に一番目立つのが歩行障害です。歩幅が狭く股を開いて歩く、「小刻み歩行」と呼ばれる歩き方になり歩行速度も遅くなります。これが数ヶ月から数年かけて進行していきます。認知機能の低下に加え、このような歩行障害が見られた場合は正常圧水頭症を疑うべきです。
しかし、脳梗塞を患った方やパーキンソン病の方にも似たような歩行が見られるため、こういった別の病気に紛れて、正常圧水頭症が見過ごされているのが現状です。あるいは、ある程度高齢になれば歩き方もゆっくりになり、認知機能が低下するのは当たり前と考え、病気を疑わず治療につながらないケースもあると思います。

正常圧水頭症は「治療可能な認知症」と言われています。適切な治療を施すことで、特に歩行障害は大きく改善する可能性があります。地域のクリニックにて認知症診断を受けた患者さんで、歩行障害が見られる場合、軽度であってもぜひ、当院にご紹介いただければと思います。

正常圧水頭症の手術は、低侵襲でリスクが少ないLPシャントを優先的に行う

正常圧水頭症の検査として、まずはMRIによる画像診断を行います。そこで「脳室や脳槽の拡大」「高位円蓋部の脳溝狭少化」が確認された場合、正常圧水頭症を疑い、タップテストを行います。
腰椎穿刺して髄液を抜き、歩行速度や認知機能に改善が見られるかを評価します。患者さんには4日間程度入院していただき、当院の療法士が詳細に評価し、判定していきます。

タップテストにより変化が確認できた場合、シャント手術を検討します。シャントという管を体に埋め込み、脳室に貯まりすぎた髄液を腹部に流しだす手術です。シャント手術には、脳室と腹部をチューブでつなぐVPシャントと、腰椎と腹部をつなぐLPシャントの2種類があります。
「脳外科医は脳を手術するものだ」という考えのもと、まだまだVPシャントを選択する施設が多いのですが、当院では、脳に直接チューブを通さないLPシャントの方が低侵襲でリスクが少ないと考え、LPシャントを優先的に行っています。手術は全身麻酔のもと、30分から1時間という短時間で済み、入院期間は歩行訓練期間を含めて約2週間です。

専門医とリハビリスタッフのチーム医療で長期にわたり正常圧水頭症患者をフォローアップ

吉田病院 附属脳血管研究所

神戸市兵庫区の吉田病院は脳卒中の急性期・リハビリテーション・再発予防まで切れ目のない医療体制を提供しています。 専門医による救急対応を24時間受け付けており、在宅復帰を目指したリハビリテーションや脳卒中の早期発見や再発防止まで支援しています。

  • 所在地

    兵庫県神戸市兵庫区大開通9丁目2-6

  • 病床数

    139床(脳卒中ケアユニット12床、7対1一般病棟71床、回復期リハビリテーション病棟56床)

  • URL

    https://www.yoshida-hp.or.jp/

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