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「断らない救急」その先への挑戦

Doctor's interview

Takeshi
Yamagiwa

海老名総合病院
救命救急センター長

2003年より東海大学医学部救命救急医学の 准教授として救命救急医療に従事。 2013年からボストンにあるHarvard Medical School, Department of Surgery-Massachusetts General Hospitalに留学後、2017年から海老名総合病院 救命救急センター長に就任。

「断らない救急」
その先への挑戦

海老名総合病院で救命救急センターが始動して5年。
「断らない救急」を実践し、神奈川県央エリアにおいて479床という規模ながら、救急車応需件数は年間8400台と県内有数の実績を有しています。少数精鋭で、地域の救急医療を支えられているのは、他科との壁を感じさせない院内チームワークの良さ、そして熱い想いを持った医師達の存在。2023年に新棟完成で新たな局面を迎える当センターでは、共にこの地域の救急医療を支える新しい医師を求めています。
「救急車応需100%と”集中治療に特化した“救命救急センターの構築を目指しています。」と語るのは救命救急センター長である山際医師。
山際医師に医師を志したキッカケや、これから実現したい未来についてインタビューしました。

医師を志したきっかけは
「人を救う母の姿」

私は、小学生の時に親族を事故で亡くしています。この時に、幼いながら「怪我した人を救いたい。命を救いたい。」と、漠然とではありますが「人を救いたい」と感じたことを覚えています。実際に医師になることを決意したのは高校生の時ですが、それには医師であった母の影響も大きかったのではないかと思います。母は黒い往診バッグを常に車に積んでいるような昔ながらのお医者さんという人でした。倒れた人がいれば新幹線でも飛行機内でも駆けつけて手当する姿を、幼い頃から何度も見て育ちました。今振り返ると、救急医療への関心を幼い頃からずっともっていたのかも知れません。

「断らない救急」その先への挑戦

外傷・熱傷の研究を経て、
救命救急センター立ち上げに参画

海老名総合病院に対して最初抱いたのは、「中規模の民間病院にしてはずいぶんと救急を頑張っているな」というのが正直な感想でした。ですので、救命救急センターを立ち上げると聞いたときも正直驚きました。限られた人数・設備で、大学病院と同じようなセンターを作っても上手くいかないのではと感じたからです。
お声がけいただいた時は、熱傷の研究に取り組んでおり、熱傷を極めたいと思っていました。留学までして取り組んでいた研究なので、研究の道も捨てがたかったのですが、やはり地域にダイレクトに貢献でき、インパクトを与えられるような仕事に魅力を感じ、センター長を引き受けることにしました。
センターを一から立ち上げるのは、かなり大変でしたが、ようやく土台ができてきたところです。

「断らない救急」と

「集中治療」の両立を目指す

私たちが将来的に目指す救命救急センターの柱は2つです。
1つは、月並みな表現ではありますが「断らない」救命救急センター」となることです。本当に断らない。それを実現したいと思っています。当院は神奈川県央エリアにおいて非常に重要な位置づけにあり、ここで受け入れが不可能になれば地域の救急医療が立ち行かなくなることは明らかです。ですので、病院単体の救急外来というより、地域の救急外来、ゲートキーパーとしての責務を果たすために救急車100%応需を目指したいと考えています。
もう1つの柱は集中治療領域の強化です。救急患者さんの受け入れが増えるにつれて、集中治療を要する重症度の高い患者さんも急激に増加してきています。集中治療領域は極めて専門性の高い領域のため、当センターに在籍している集中治療専門医の資格を持つ救急医2名を中心とした集中治療部門を今後立ち上げていきたいと考えています。

当院では年間1万8000人ほどの救急外来患者を受け入れています。2024年の医師の働き方改革が導入されることにより、救急患者の受け入れ要請はさらに増えることが予想されます。そのため、救急科専従医9名に加えて、新たな人材を積極的に迎え入れることで救急・集中治療体制を強化していくことが我々の使命と考えています。

「断らない救急」その先への挑戦

必須スキルの第一は
コミュニケーション能力と熱意

私たちが一緒に働きたい人物像は明確です。コミュニケーション能力が高く熱意のある人です。救急医療はセンター内で完結する仕事は少なく、消防職員や看護部をはじめ、あらゆる職種の人と関わる必要があります。さらに他の診療科との橋渡し役となることも重要であるため、コミュニケーション能力は欠かせません。それに加えて、意欲を持って集中治療を極めたい人も大歓迎です。 そのうえで将来のキャリアとして、救急外来をメインにやりたい人もいれば、集中治療に携わりたいという人もいるでしょう。女性の医師であれば外来に専念したい人も多いと思います。そのあたりは本人の意向を汲み、できるだけ働きやすい環境で専門性を磨けるよう配慮しています。

「断らない救急」その先への挑戦

専門性の異なるメンバーが
本気で意見を交わし切磋琢磨

当センターの医師の強みは専門が多岐にわたっていることです。全員が救急科専門医の資格を持つほか、外科専門医、外傷専門医、集中治療専門医、精神保健指定医、総合内科専門医など幅広い専門領域をカバーしています。カンファレンスでは各領域の視点でさまざまな発言が出て、丁々発止しながらもうまくやっているという感じですね。患者さんに真剣に向き合っているからこそみんな本気です。 専門医・指導医の資格取得に対してもかなり積極的に取り組んでいます。救急科専門医だけでなく救急科指導医の研修施設認定も受けているため、将来的なキャリアアップにも役立つと思います。2022年には 集中治療専門医、および外傷専門医の施設認定を申請中ですので、今後は自前で集中治療専門医や外傷専門医を育てていきたいです。

また、当センターでは1人が経験する症例数が多く、力をつけるには最適の環境だと思います。特に体外式膜型人工肺(ECMO)を使用した重症呼吸不全、循環不全管理に関しては相当数の症例を経験できると思います。重症熱傷・四肢切断など高度救命センターでしか診療しない特殊疾患を治療する機会は現場では多くありませんが、近隣の東海大学医学部付属病院と連携しているので、場合によってはそちらで一定期間の経験を積むことも可能です。

治療のクオリティを上げるためには
「働きやすさ」も追及する

救急科から他科医師にコンサルテーションするときに「しっかり診断してから連絡をしてほしい」とか、「なぜもっと早く引き継がなかったのか」などと努力や判断を否定されるような言葉をかけられたことることは救急医のモチベーション低下を引き起こす大きな要因の一つではないでしょうか。その点、当院では他科との連携が非常にスムーズで、そういったストレスが極めて少ないと感じます。これはなかなか稀な環境です。海老名総合病院全体として救急科への理解があり、救急医療を柱とする病院であるという文化が浸透しているのがその要因でしょう。この風通しの良い点は中規模病院ならではだと感じます。提案したことを前向きに取り入れてもらえるなど、自由度が高いことも大変ありがたいことです。この環境には大変感謝しています。

医師の働き方に関しても、当センターはかなり進んでいると思います。救急科は「完全シフト制」を基本としています。時間で区切るため勤務時間内は正直忙しいですが、引継ぎをしっかりと行うことで家族との時間を確保することを私自身が強く意識しています。男性医師が育児休暇を取った事例もあります。働き方にこだわる理由は、医師の心が健康でなければいい治療ができないと思うからです。夜中まで働き詰めでは、誰でも笑顔にはなれません。
質の高い医療を提供するには人間的な時間の余裕は不可欠です。ですので、スタッフには病院の外では家族や友人とゆっくり過ごす時間を大切にしてもらっています。

助かるべき人、助けるべき人を
チームで救う

コロナ禍では、当センターも感染者の治療に奔走しました。中には、受け入れ先がなかなか見つからず、呼吸も心拍も停止寸前の状態で救急搬送されたコロナ患者さんもいました。搬送直後から体外式膜型人工肺(ECMO)を回し、スタッフ全員で懸命に治療にあたった結果、その方は元気に社会復帰されています。搬送先が当院でなければ亡くなっていた可能性もあった症例だけに、「このセンターでここまで最重症の患者さんを救ったんだ。」と、チームとしても大きな達成感がありました。

「断らない救急」その先への挑戦

2023年春に新棟が完成すれば、救急専用病床は20床から30床に増え、当センターは新たな局面を迎えます。とはいえ、今も当センターはビルディングの途上にあるので、新しい仲間を迎えて一緒に構築していきたいと考えています。この地域の助かるべき人、助けるべき人を1人でも多く救いたい――。
この想いに共感して下さり、救急・集中医療に対する熱い気持ちを持つ方がメンバーに加わってくれると大変嬉しいです。ぜひ一緒に働きましょう!

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